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2013年3月8日を表示

5 四次元生物のみが見ることのできる宇宙の全貌

宇宙空間はプラスに曲がった空間である。この宇宙は、広さは有限だが、果てはない==アインシュタインの宇宙論を簡単にするとこういうことになるでしょう。

では、この宇宙はいったいどんな形をしているのか==だれもが、つぎに抱く疑問でしょう。宇宙空間の曲がり方は、しいて言えば平面でいうボールのようなものを考えればいいと言いましたが、それは曲がり方の性質を言ったもので、形態を言ったものではありません。広さは有限で果てはないという空間の性質を、球面を借りて説明しただけなのです。

ここのところを誤解して、宇宙空間を球体内の空間と同じだと言う人がよくありますが、それは完全なまちがいです。球体とは、球面で囲まれた空間であって、その空間が曲がっているとは限らないからです。空間が曲がっているかどうかは、形の問題ではなく、空間の性質の問題です。

面の場合でも、その面が曲がっているかどうかはその図形が四角形であろうと円形であろうと関係なく決められることを思い出してください。曲がっているということは面の性質だったのです。

それでも、宇宙が球体であるという妄想を捨てられない人のために、「宇宙が球体だ」と仮定して考えてみましょう。その場合、広さ(=体積)は有限ですが、果てがあります。果てはもちろん球面です。アインシュタインの考える宇宙空間の性質は、「体積は有限で果てがない」のですから明らかに異なっています。宇宙空間は曲がっているが、その形は球体ではありません。性質がちがうのです。しかし、こう説明しても、では宇宙空間とは、どんな曲がり方をしているのか==このだれもが、いちばん知りたがっている問いに、現代物理学者は、こう答えるのです。
「私たちには、その問いに答えることばがないのです」

これは読者の方をからかっているのではありません。それを次に説明しましょう。
SF小説なんかによく、"四次元の世界"という表現が出てきますが、宇宙空間の性質をよく理解するためには、この次元(ディメンション)という考え方の助けを借りなければなりません。

私たち人間が、ふつうに空間と呼んでいる世界は、次元でいえば三次元空間です。それは長さと幅と高さという三つの方向を持っている空間です。二次元は長さと幅をもった"面"、一次元は長さしかない空間とされている。二次元に住んでいる人間には、高さというものがないから、自分の住んでいる世界が球面だとしても、曲がりを見ることはできないから、球面を説明することばを持たないのです。アリがボールの上をはっても、アリにはボールではなく、ただの面なのです。これと同じことが、人間の住む空間(三次元空間)の曲がりにも言えるのです。三次元空間の曲がりを見れるのは四次元の生物だけです。では、次に次元についてもっとよく考えてみましょう。

四次元99の謎 関英男



3月8日(金)04:04 | トラックバック(0) | コメント(0) | 関英男博士 | 管理


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