25 光の正体は何かを考えてみると・・・ |
|
| 光が光子の固まりであるというアインシュタインの説は、光電効果を説明するのに役立ちましたが、では光が光子であるという発見はわたしたちになにをもたらしたのでしょうか。
じつは、この発見は、私たちの日常生活のうえに多くの実用的なメリットを与えています。
ジェームス・ボンドが活躍するフレミングの「007」シリーズの映画なんかをみてますと、人間が前に立つだけで自動的に開閉するドアが出てきます。映画の中だけでなく、ホテルなどでも人が近づくだけで自動的に開閉するドアにお目にかかることがあります。また、手をだすだけで自動的に水の出る蛇口とか乾燥機。これらの装置に利用されているのが光子なのです。
自動ドアには光電管またはホト・トランジスタが用いられている。光電管は光電効果の原理を利用して、光の強弱を電流の強弱に変えるもので、人間が光をさえぎって光電管に入る光のエネルギーを小さくすれば、電流が弱く流れてドアを開き、さえぎるものがなくなれば強い電流が流れてドアが閉まる。つまり、光のエネルギー(光子の量)を電流の強弱に変換する装置のわけです。
また、テレビ局のスタジオのテレビカメラにも光子が生きています。つまり、スタジオの光の映像を光電効果を利用して電気シグナルに変換するイメージ・オシルコンがそれなのです。このように光の粒子としての性質は多くのところで役立っています。
ところで光とはなんでしょうか。光は波の姿と粒子の姿という二つの顔をもっていることを 私たちは知りましたが、私たちに姿をみせないときの光とはいったいなんでしょうか。光は私たちにもっともなじみ深いものなのに、光とはなにかを考えてみると、なにもわからない。
物理学者たちは、光が波であり粒子であるという性質からほかの素粒子とは区別して準素粒子と考えるようになりました。
ところがこれは、素粒子を粒子の極小のものと考えていた時代の偏見だったのです。光子が準素粒子とされて約二十年後、すべての素粒子は粒子であり波であるという光と同じ性質であることがわかったのでした。もちろん、光子は光速度で進みますが、その他の素粒子は理論上、光速度に到達することができません。
四次元99の謎 関英男
| |
|
3月28日(木)05:32 | トラックバック(0) | コメント(0) | 関英男博士 | 管理
|