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2013年3月6日を表示

3 宇宙空間を飛び続けたロケットは出発地点にもどる

人間は自然を知りたい、それも深く決定的に知りたいという欲望をもっています。その欲望が科学の発展の原動力となってきたのですが、そうした人間の開拓してきた科学史をひもといてみると人々の知識欲を最も強く刺激してやまなかったのは「宇宙」の神秘であったようです。それは現代人にとっても同じような深い問いかけを、たえることなく投げかけてきます。

まず簡単なことから考えてみましょう。

 私たちの住んでいる地球は広い宇宙の中にある。これはだれもが常識として知っていることです。では、地球からロケットにのってある方向に飛び出したとします。そしてロケットがどんどん、どんどん飛びつづけたとしたら、そのロケットは、「どこまでも、永遠に飛び続ける」のか「それとも宇宙の果てに、やがてはたどりつく」のか、どちらでしょう。もちろん、途中でロケットがこわれたり、消えたりすることはないと仮定します。これは、じつは「宇宙は有限か無限か」という質問なのです。これにはじめて現代物理学の立場から答えたのは、かの有名なアインシュタイン博士でした。

昔の人にとって平面だった大地は、じつは曲がった面、球面でした。球面というのは広さ(面積)は有限ですが、果てはない。果てがあれば、果ての向こうの世界も考えられるが、果てはなくただもとのところに返ってくるだけ。
それがこの大地(=地球)の構造だったのです。

それを知ったとき、大地の果てはどうなっているかという長年の疑問は氷解してしまいました。

これと同じように、宇宙空間もじつは曲がっていて、その広さ(体積)は有限であるが、果てはない。
こういう奇妙な宇宙空間論を考え出して、アインシュタインは宇宙は有限か無限かという疑問に答えたのです。私たちの経験の範囲では、宇宙は平らな空間のようにみえ、ロケットで飛べばどこまでもまっすぐにすすめるはずだと考えがちですが、そうではない。宇宙全体は曲がった空間なのである。だから、ロケットで、どんどんどんどん先に進んで行けば、、いつのことになるかはわからないが、ついには元の場所に帰ってしまう。これが、最初の質問の答えなのです。

もちろん私たちに空間の曲がりはみえません。ただ、それを経験する方法としては、時間の問題を度外視した仮定の話になりますが、遠方がどこまでもみえる高性能の望遠鏡で宇宙をのぞいてみるとよいでしょう。いったい、なにが見えるのでしょうか。

そうです、望遠鏡をのぞいているあなたの後頭部が見えるのです。曲がった空間では光さえも直進はできず、出発点にふたたびもどってくるからです。

宇宙は有限か無限か、この答えは「果てはないが有限である」ということになるわけなのです。

ただ、これは一面の真理をとらえた空想ですから、実際できるわけではありませんが、最近の天文学界で話題になっている「ブラックホール」の中では、これに類似のことがおこっています。

四次元99の謎 関英男



3月6日(水)07:27 | トラックバック(0) | コメント(0) | 関英男博士 | 管理


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