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2013年5月14日を表示

72 真空があらゆる物質を生み出すのか?

真空は無ではないということが物理的に証明されました。

真空に新しい意味を見つけたのがディラックであるところから、真空のことをディラックの海とも言います。

そしてマイナスのエネルギーをもった電子の抜けがらを反電子とするだけでなく、あらゆる素粒子に正と反の二つのものがあると現代物理学は考えるようになってきました。

つまり、真空の中は、マイナスのエネルギーをもった素粒子で満たされている。それがプラスのエネルギーになって抜けてゆくと 抜けがらが反素粒子になる。そして、反素粒子の形は、陽電子と同じように真空からの抜けがらあるいは気泡のようなものであるとされています。

その後の研究で、陽電子と電子が衝突すると陽電子は瞬間的に消滅し、二個のガンマー線にかわることが発見され、これは電子対消滅と呼ばれています。

また逆に高エネルギーのガンマー線を真空中に照射すれば電子と陽電子が対になって発生することも確かめられ、これは電子対創生といわれています。

その後、千九百五十五年になって、カリフォルニア大学のセグレ教授は、高エネルギー陽子加速装置ベヴァトロンを使って、反陽子の存在もつきとめました。

そして、反粒子の研究は急ピッチで進み、すべての素粒子に正反二種類があることもわかったのです。ただ、光子とパイ中間子だけは例外で 一つの粒子が正反を共有している。

そしてさらに、この正と反の二つの素粒子についておもしろい性質がわかっています。

それは正粒子と反粒子が衝突すれば電子対消滅と同じで、二つの素粒子はパッと消滅し、ほかの素粒子にかわるのです。

そして新しく出てきた素粒子はやがてこわれ 最後にはガンマ線、ニュートリノ、電子のどれかにかわってしまうのです。

さて、私たちの知っている真空、真空の宇宙、私たちの身体の中の真空、それらはすべてマイナスのエネルギーの素粒子でびっしりと満たされていることがはっきりしました。

つまり、私たちの知ることのできるこの自然は、たとえ真空であろうとも素粒子で満たされており、生きているのです。

そして、ディラックの理論のように、真空が素粒子を生む母体とも考えられるのです。

                                         四次元99の謎 関英男



5月14日(火)05:52 | トラックバック(0) | コメント(0) | 関英男博士 | 管理


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