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2013年4月23日を表示

51 相対性理論は気ちがい扱いされた!

十年ひと昔とよくいわれますが、現代の科学の進歩は五年ひと昔あるいは三年ひと昔といったほうがいいほど早いピッチで進歩しています。いってみれば、とても強い加速度がついている。

しかし、世の中の多くの人々は、新しい発見、新しいアイディアを新聞のニュースでときおり知るくらいで、そこで何が起こっているのか、何が考えられているのかはほとんど無関心だといっていいようです。

それは、たとえば科学の本命だとされているアインシュタインの一般相対性理論が発表されたのが千九百十六年で、すでに約六十年になろうとしているのに、いまだに私たちに強い衝撃を与えるということひとつをとってみても明らかです。

この本に書かれているひとつひとつに私たちは半信半疑の気持を抱いているというのが正直なところではないでしょうか。超感覚の世界はどうも苦手だ、知らなくてもどうってことないんだからもういいや、と思い始めているひともいるにちがいありません。

しかし現代物理学は、私たちにテレビジョン、電子計算機、電子顕微鏡、原子力など多くの便利な道具をもたらしています。

そして、そうした文明の進歩に大きな力を発揮しているだけでなく、物理学を研究している人以外でも、その世界に入ることによって、超感覚の世界の奥行きの深さ、自然の奇妙さ、おもしろさ、限りのない深い神秘に触れさせてくれます。

私たちの生命の意味さえも、あらためて考えさせてくれることは、これまで述べてきた宇宙の探検、素粒子の世界の探検などによってすでに経験されたと思います。

そして、このように自然の神秘に挑戦した物理学の考え方、発想は、私たちにものを考える場合のヒントを与えてくれるのではないでしょうか。

とても深い好奇心と、とてもやさしい心が現代物理学の発想を支えているということを知ることができるのではないでしょうか。

ところで、科学史をひもといてみますと、科学上の重大な発見、理論はすべてその時代の人にバカにされ気違い扱いされている。

コペルニクス、ガリレオ・ガリレイ、ニュートンみんなそうでした。そして、アインシュタインも例外ではありません。

もっとも相対性理論は、理解できる人が十人ほどしかいないといわれたほどですから、気ちがい扱いされたのも無理からぬことともいえます。

そのためアインシュタインは相対性理論でノーベル賞をもらうことはできませんでした。彼がノーベル賞をもらったのは光の量子説だったのです。

こうした科学的発見に対する常識の抵抗に負けないため、現代の科学者の多くは次のような態度で科学的発見、理論にのぞんでいるようです。

「物理学の常識から考えて十分気ちがいじみている理論が、正しいものである可能性が大きい。気ちがいじみていない理論は、正しいとはいえない」(ニールス・ボーア)と。

                                四次元99の謎 関英男



4月23日(火)06:52 | トラックバック(0) | コメント(0) | 関英男博士 | 管理


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