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2013年4月7日を表示

35 自然は、光の速度を一定不変と決めた?

「光速度不変の原理」とは、等速度で運動しているすべての人にとって、光の速度は一定にみえるということです。

光の速さは、正確に測定されたところによると秒速2.99792×10の10乗センチ(秒速三十万キロ)ですから、高速不変の原理を詳しく言えば、光の来る方向に時速二百キロの車で走っている人が光の速度を測定しても、光から逃げる方向に高速の飛行機で飛んでいる人が光を測定してもその値は(光の速度は)秒速2.99792×10の10乗センチだということなのです。

光の速さは私たちの感覚を超えて速いので、光の速度が日常的に問題になることは少ない。だから、光速が一定だと言っても不思議はないでしょう。しかし、物体の速度の性質を知れば、これが光のおかしな性質を表していることがわかります。

物体の速度というとき、その速度を比較するものを私たちは常に考えています。つまり、高速道路の自動車が時速二百キロとあるのは、地面に対して二百キロの速さという意味です。音波が秒速三百三十メートルというのは空気に対して三百三十メートル、ということなのです。つまり、なにかを媒体として物体の速度は考えられています。それは、たとえば同じ高速道路を百キロで走っている車を基準にして測れば、さっきの二百キロの車の速度は百キロと測定されます。速度を比較するものを変えれば、速度はちがってみえるのです。

ところが、光は、どんなに速いロケットで、その光源に向かって飛びながら速度を測っても、つねに変わらない、一定であるというのがその性質なのです。

ところで、光の速度の対象物はなんでしょうか。物理学者たちはアインシュタインの特殊相対性理論の発表までは、エーテルという仮想物質が空間を満たし、そのエーテルが波動して光を伝えると考えていました。空気が音を波動で伝えるのと同じ発想です。

ところが、アメリカのマイケルソンとモーリーの二人が、きわめて精巧な機械で光の速度を測定する実験をした結果、このエーテルに対する相対的速度はほとんどみとめられないということになったのです。

ところが、当時(千八百八十七年)の物理学者はエーテルの存在を信じていましたから、このマイケルソンとモーリーの実験結果をどう説明したらよいのか戸惑ってしまったのです。

ところが、そこに当時二十六歳の超天才的物理学者アインシュタインが登場して、この物理学者たちの戸惑いに一気に決着をつけてしまったのです。

アインシュタインはだれもがその存在を信じて疑わなかったエーテルについて、それは存在しないと言ったのです。
つまりかれは、この実験がエーテルの存在を否定していると判断し、実験の正当性を受け入れたのです。そして、光は、エーテルの存在を必要とせず、真空の中を伝わっていく性質をもっていると考えたのでした。真空とは、そこに何も存在しない無の空間です。

                                       四次元99の謎 関英男



4月7日(日)05:06 | トラックバック(0) | コメント(0) | 関英男博士 | 管理


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