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2013年4月6日を表示

34 高速で宇宙旅行した子猫は親猫にならない

いろは 48文字

ジュリーさん 

ことばって おもしろくて どこまでいくのかなぞが深いです。





34 高速で宇宙旅行した子猫は親猫にならない

私たちはすでに、宇宙の不思議な性質やミクロの世界==素粒子の世界==の奇妙な性質をこれまでの章で経験してきました。そして、それらの世界が、手で触れることのできる実在の世界になじんでいる人間の立場からすると、ありそうもないことが少なくない世界だと感じつつあります。

そう、それはちょうど『ふしぎの国のアリス』物語のアリスにでもなったような気分でしょう。

アリスは眠っている間にたくさんの不思議な事件にぶつかる。彼女のまえには幻想的な場面が次から次へと出てくる。奇妙な小人たちが、わけのわからないことを話し合い、もったいぶってなにかを説明使用としている。しかし、アリスが近よって話を聞こうとすると、小人たちはパッと消え失せてしまい、彼女は突然、別の世界に連れていかれてしまう==。

自然の奥深い本質に近づくためには、こんな経験をなんどもくぐりぬけなければいけないでしょう。

さて特殊相対性理論の話をつづけましょう。

私たちの常識によれば、あと寿命が五十年のパイロットが、自分の一生の間に二千五百光年のむこうにある星に旅行しようと思えば、ロケットの速度を光の速さの五十倍にしなければたどりつくことはできません。光の速さで飛んだのでは五十光年の距離しか飛べない。

ところが実際には、ロケットが光に近い速度(準高速)でもし飛ぶことができるなら、パイロットの一生の間に二千五百光年の距離を飛ぶことができるのです。つまり「光が五十年間でとどく距離は五十光年の距離だけれども、ロケットが準高速度(光の速さの0.9998倍)で飛べはロケットは同じ五十年間にほぼ二千五百光年を飛ぶことができる」ということなのです。

果たしてこんなことが起こりうるでしょうか。とても信じることはできない。もし、これが事実とするなら、次のような奇妙なこともまた事実だと考えなくてはならなくなります。

同じ親猫から生まれた六匹の子猫のうち、三匹を地上に残して、残りの三匹を高速度に近いロケットで宇宙空間に送り出したとします。そして三年後に帰還させたとしましょう。

地球上にいた子猫はもちろんちゃんとした親猫に成長していますが、宇宙ロケットにのせられた子猫はもとの子猫のままであった。つまり高速度で飛んだ子猫は年をとらなかった。これは有名な親猫子猫の思考実験と呼ばれているものです。

準高速ロケットは理論的には実験できますが技術が開発されていないので、実験に子猫で実験することはできませんが、これは動物いがいの物体を使って実験されたことでもあるので、多くの物理学者は正しいと信じています。

これは、アインシュタインの特殊相対性理論で説明することができます。特殊相対性理論は、高速不変の原理と呼ばれる法則がいちばん基礎にあります。それを理解すれば、この子猫の秘密もだんだん明らかになってくるでしょう。それを次に説明します。



4月6日(土)05:26 | トラックバック(0) | コメント(0) | 関英男博士 | 管理


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