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2013年4月24日を表示

52 宇宙の曲がりを実証するウィーバーの重力波の測定

50で、フランスのアンリ・ベルグソンをはじめとする哲学者たちが、アインシュタインの一般相対性理論の正当性を認めない主張をしていることに触れましたが、最近になって、宇宙観測の結果、相対性理論の正しさを補強する研究がすすんでいることを次に述べましょう。

それは、アメリカのメリーランド大学の物理天文学教授ジョセフ・ウィーバーの重力波の測定です。じつは、この人は重力波研究の分野で私の恩師といってもよいくらいの人で、私もアメリカに渡ったとき、その重力波の測定装置を実際にみせてもらい、その装置の完璧さから重力波の存在が発表される日も近いと確信させられたことがあります。

では、重力波は私たちになにを教えてくれるのでしょうか。たとえば、正の電気を帯びている棒と負の電気をもっている棒を近づけるとパッと火花を散らして電流が流れる。このとき、瞬間的に空気中に電波がでます。また、木を燃やせば木から光が出ます。

この光と電波とは素粒子の流れで本質的には同じものであることをまえに光子説を紹介するところで述べました。つまり、エネルギーなのです。

これと同じことで、宇宙に巨大な質量のある物質(たとえば星)が出現したとすると、特殊相対性理論によればエネルギーが質量に変わったことになり、また巨大な星が爆発すれば質量がエネルギーに変わるはずです。

これを電波や光とおなじように考えて、質量の変化あるいは変位によって電波や光のような波動のエネルギーが出てくるはずだと考えられます。これが重力波で、アインシュタインは千九百十六年に一般相対性理論の中でその存在を予言しました。

重力波は、光速度と同じで、しかも地球のような巨大な質量をもった物質でも貫通してしまう性質をもっているとされています。光に光子があるとするなら、重力波には重力子(グラビトン)があるはずです。

ところが、このグラビトンのエネルギーはあまりにも小さく、アインシュタインの予言にもかかわらず、この存在をキャッチした人はこれまでいなかったのですが、ウィーバー教授は直径六十センチ、長さ百五十四センチのアルミの円筒をつくり、それを真空のボックスの中にピアノ線でつるすという観測装置をつくり、それをメリーランドに三個、そこから千キロ離れたイリノイ州アルゴンヌ国立研究所に一個設置して観測を開始しました。

この観測装置はじつに精度が高く、地震、電波、宇宙線などは一切受け付けず重力波しかキャッチしないように工夫されている。そして、ついにウィーバー教授は、重力波のキャッチに成功したのです。

つまり、アルミのドラムが四十兆分の一センチほど伸縮したことを確認しました。重力が空間を伝わる波動としてキャッチされたことは物理学上の大発見です。

重力波が宇宙のどこから出たかは確認されていませんが、たぶん超新星の爆発によるもので、銀河系の中心とされています。

この観測の正しさは私も確信していますが、重力波の存在は一般相対性理論を強く立証するものとなり、重力波と質量の相互作用で力が生じ、空間が曲がっていることも裏付けられるのです。

                                      四次元99の謎 関英男



4月24日(水)06:18 | トラックバック(0) | コメント(0) | 関英男博士 | 管理


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