Uso800 まっかな真実 |
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| ◎ハリー山科氏 若い頃は音楽でならした片鱗を見せてくれまする!
松山晴介オリジナルです。深夜放送でCNNなどが始まった頃、やけに元気な女性キャスターがたくさん出てきました。...
Lady Caster Seisue Matsuyama 松山晴介
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Apr.2(Thu)06:47 | Trackback(0) | Comment(0) | 宇宙哲学 | Admin
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りんのショートストーリー |
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http://rin-ohanasi.blog.so-net.ne.jp/2015-04-01?comment_success=2015-04-02T06:18:13&time=1427923093
大きな穴 [ファンタジー]
それはまだ肌寒い早春の朝だった。 町の公園の真ん中に、突然大きな穴があいた。 人が百人入れそうな大きな穴だ。 地盤沈下は考えられず、まるで誰かが掘ったような穴だった。 前日の22時には、何もなかったことが証明されている。 つまりたった数時間で、こんな巨大な穴があいてしまったことになる。
町中が大騒ぎ。 聞きつけたマスコミまでもやってきて、まるで祭りのような人出だ。 「隕石が落ちたのではないか」という説が出た。 「いや、それではその隕石はどこに行ったんです?ゴムまりのように跳ねて宇宙に戻ったとでも?」 「これは人間の仕業ではない。何か不吉なことが起こる暗示だ」 オカルトめいた発言が日本中を怯えさせた。
探検隊が現れて、穴の中に入ってみるという特別番組も作られた。 結局何事もなく、「ただの穴です」と締めくくった。
とりあえず、危ないから穴を埋めようと誰かが言うと、 「せっかくこんなに賑わっているのに、埋めたら元の寂びれた町に逆戻りだ」 と、商店街の人々が烈火のごとく反対した。 「公園で遊べないじゃないか」「散歩が出来ない」 「どうせ何もない公園だ」「利用しているのはノラ猫くらいだろう」 喧々囂々の大騒ぎがしばらく続いたが、2週間も過ぎた頃には報道陣も見物人も姿を消した。
そして、すっかり春めいた朝、穴があいていたところに、大きな大きな木が茂っていた。 「いったいどういうことだ?」 「こんな大きな木が突然生えるはずがない」 「誰かが植えたのか?」 「一晩でこんな大きな木を?」
青々と繁った木を囲んで、みんなが首を傾げていると、ひとりの老婆が笑顔で言った。 「あら、ちょうどいい日陰が出来たわ。暑い夏もここで凌げるわね」 人々は顔を見合わせた。 「そうだな。ここにベンチを置こう」 「枝に縄をくくってブランコを作ろう」 「わーい」 人々は、巨大な幹を囲んで、まぶしそうに緑の葉を見上げた。
『どうだ。21世紀植樹計画は進んでいるか?』 『神様、それがですね、人間ときたら穴を掘っただけで大騒ぎ。ようやく木を植えたらまた大騒ぎ。なかなか進みませんよ』 『しかし見てみろ。木を囲んで、みんな幸せそうだ』 『本当ですね。では2本目をさっそく植えましょう』
明日の朝、あなたの町に大きな穴があいていたら、騒がずそっと見守りましょう。
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Apr.2(Thu)06:24 | Trackback(0) | Comment(0) | りんのショートストーリーより | Admin
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