『患者の合理的選択が標準治療を変えていく』1 |
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ほとんどの癌が手術を標準治療としているのだそうです。
標準治療の意味も知らなかった私ですが
「がん放置療法のすすめ」に
『患者の合理的選択が標準治療を変えていく』
と言う題目がありましたので メモしました。
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二〇一一年のある日、浸潤性膀胱がんの男性(Jさん)が、都内の膀胱がん治療で名高い(がん専門病院や大学病院の)泌尿器科を何軒も廻ったが、どこでも全摘術を勧められ、(途方に暮れて)私の外来に来られました。 聞くと、放射線治療に好意的なことを言っていたのが東京女子医大の泌尿器科ただ一軒だったそうですが、いざ治療を受けたいと言ったら、手のひらを返すように全摘術を勧めたのですと。
もっとも、好意的なことを言っていたのだから脈はあるだろうと思い、私は、その病院の放射線科の教授に(治療してあげてくださいとの)紹介状を書きました。直接頼めば何とかなると思ったのです。
ところがしばらくすると、患者が戻ってきた。教授に会ったが、「全摘術が標準治療だから、泌尿器科医の言う通りにしなさい」と言われたと。しかし、「貴方が強く希望するのであれば、やってあげないこともない」とも。
こういう場合放射線科医は、泌尿器科に遠慮しているのですね。病院内の和を大事にする放射線治療医が多いのです。------もう少しはっきりいえば、患者を握っている外科医、婦人科医、泌尿器科医、耳鼻科医たちより弱い立場に置かれ、言いたいことも言えずに黙っている。
さてJさんには、「それは泌尿器科に遠慮しているのだから、放射線科医が積極的に治療を開始した形にするのはよくない」「患者自身の強い希望でしぶしぶ放射線治療を始めたという形を作る必要がある」「もう一度放射線科を訪ねて、どういう結果になろうと構わないので、どうか放射線治療をしてください、と再度言いなさい」とアドバイスしました。
Jさんは、その後しばらく来られなかったので、やれやれ一件落着と思っていたら、あるとき放射線科の外来治療棟でばったり会いました。なんでも向こうの病院で放射線治療をしてくれることになったが、途中のやり取りに嫌気がさし、慶応病院の泌尿器科の門を直接叩いた。
泌尿器科では、膀胱鏡で見ながらがん腫瘤を削る手術をして、そのあと、放射線科の(私とは)別の医者に依頼して、放射線治療が始まったところだと言うのです。
希望通りの治療が受けられるようになってよかったと心から思います。ただ泌尿器科医が多分知らないことなので一言しておくと、膀胱鏡でがんを削る手術は、放射線治療の前には不要です。
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12月10日(火)07:22 | トラックバック(0) | コメント(0) | 自然 | 管理
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