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40 宇宙線が証明する"時間の遅れ"

メスバウワーの実験はアインシュタインの相対性理論の予想を実証するものとして現代物理学の世界では公認されています。

では、宇宙空間の観測結果として、特殊相対性理論の正しさを証明する現象はないのでしょうか。じつは、これもあるのです。それは、二次宇宙線のひとつであるミュー中間子という素粒子を観測して得られるのです。

一時宇宙線についてはすでに述べました。二次宇宙線というのは、宇宙からきた宇宙線が地球の成層圏に到達したとき、空間分子中の酸素原子、窒素原子などと衝突して、その結果生まれた宇宙線のことをいいます。

大気中の原子と宇宙線が衝突すると、宇宙線の正体である高エネルギーの陽子は、二種類のパイ中間子という素粒子になります。

このうち一方のパイ中間子からニュートリノ素粒子とともにミュー中間子が生まれます。この新しく生まれた宇宙線を二次宇宙線と読んでいます。

ミュー中間子の性質はすでに研究しつくされており、それは静止した状態で測定すると生まれてから百万分の一秒後に消滅し、一つの電子とニュートリノ素粒子に変化することが知られています。

つまり、ミュー中間子の寿命は、百万分の一秒のわけです。

そして、この寿命の長さは、外からどんな物理的な力を加えても長くなったり、短くなったりするということはなく、つねに一定であることが証明されています。

ところが、観測してみると常識では考えられないことが起こっていることがわかったのです。すでに述べましたが、ミュー中間子は成層圏でパイ中間子から生まれます。成層圏というのは地上から約十五キロの高さにあります。

また、パイ中間子から生まれたミュー中間子はほとんど光速に近い速度で地上に降ってきます。

秒速三十万キロに近い速度で振ってくることが、地上の観測装置によって確かめられています。そして人間も建物もすべてを貫通して、地中に突入すると止まり、ニュートリノと電子に崩壊してしまうのです。

さて、ここまで述べてきておかしなことに気づかれたでしょうか。

私は先にミュー中間子の寿命は百万分の一秒と書きました。つまり、光の速さで飛んでいるとしても、ミュー中間子がその一生うちに飛ぶことのできるのは〇.三キロのはずなのです。

ところが、実際の観測によるとミュー中間子は成層圏から地上まで約十五キロを飛んでいるのです。

つまり、逆にみれば、光の速度で飛んでいるミュー中間子の寿命(時間)は五十倍に伸びた(時間の経過が五十分の一になった)といえるわけです。

この現象が、特殊相対性理論の正しさを証明する証拠のひとつになることはもう気づかれたと思います。

つまりミュー中間子の時間は、地上の約五十分の一の進み方しかしてなかったのです。

                                       四次元99の謎 関英男                                               



4月12日(金)06:36 | トラックバック(0) | コメント(0) | 関英男博士 | 管理

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