お日さまとお月さま
 
幸せな地球さんを見ました 
 


8 人間蒸発、神隠しも朝メシまえ

では、つぎに三次元世界を考えて見ましょう。数学的には、一点で直交できる直線の最大数が三本ある空間です。要するに、いま私たちがふつう空間と呼んでいる世界なのです。

私たちは、野原のまんなかでバリケードで囲まれても、その上を越えて脱出するのは簡単です。低い塀ならとび越せばいいし、とても高い塀ならヘリコプターで脱出することができます。

しかし、これを二次元世界の住人が見ていたらまったく脅威でしょう。閉じ込められている物体が突然消えてしまうからです。どこをどう調べてもバリケードはもとのままで、こわされていない。二次元世界に起こる世にも不思議な神隠しなのです。

私たちの住む世界は三次元なのです。この世のものはすべて、長さと幅と高さがあり、三方向に膨らんだり、縮んだりすることができる。また空間の量としては、長さ、広さのほかに体積が登場し、立方体、直方体などのものが登場してくるわけです。

こう話を進めてくるとだいたい次元の話は、おわかりいただけたのではないでしょうか。

ところで、二次元空間に住んでいる人間を再び想像してみましょう。もし、かれの住んでいる二次元空間(平面)が球面だとしても、かれに面の曲がりは見えるでしょうか。見ることはできません。ですから、かれにはその曲がりがどんなものかを説明することはできません。もちろんその曲がりの性質は、数学的に知ることはできるでしょうが、見ることはできないのですから、説明することばを持たないのです。

二次元世界の物理学者が、自分のいまいる地上(=二次元空間)が球面だと理論的に証明しても、それがどんな球面なのか、どんな曲がり方をしているのか、それを二次元世界の一般の人に説明することはできません。それと同じことが、三次元世界と四次元世界にも言うことができるのです。

もし、その物理学者が球面の曲がりを見ることができるのなら、それはその物理学者が高さを持った人間、すなわち三次元世界の人になったということです。自分の住んでいる空間の曲がりは絶対に見ることはできない。だから説明することもできない。そういうことなのです。

              四次元99の謎 関英男



3月11日(月)05:22 | トラックバック(0) | コメント(0) | 関英男博士 | 管理

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