おいしい水のつくり方 |
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| 生物浄化法ー飲んでおいしい水道水復活のキリフダ技術 中本信忠(著)
いつから私たちは、水道水をあきらめ、ガソリンよりも高いミネラルウォーターを買い求めるようになったのか
なぜ水道水は飲料水としての信頼を失ってしまったのか
安くておいしい水道水ができないのは、水道原水の汚染が原因ではなく、これまでの物理的水処理の方法に問題があったからだった。
ヨーロッパで200年、日本の水道事業でも100年以上の実績を持つ「生物浄化法」を使えば、おいしく、安全な水道水が、これまで以上に安くつくれるのだ。
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塩素臭い水は、米軍が強要した
戦前の水道は、生物処理の緩速ろ過(生物浄化)処理で、塩素を添加していなかった。外国船が日本で給水し、赤道を越えても腐らないといわれる水道水だった。ゆっくりの生物処理では、最後に塩素を添加しないでも「安心できるおいしい水道水」であった。
1945(昭和20)年 日本は敗戦した。進駐してきた米軍は日本の水道水が塩素臭くないので心配になり、日本の全ての水道に、塩素添加を強制した。
水道の残留塩素については、配水管末で0.4PPM以上を保持するという米軍の野戦用給水基準を日本の水道にあてはめた。その基準を現在でも守っているのが日本の水道業界である。塩素をどれだけ添加してもよい。
塩素の害が周知されだし、浄水器を使う家庭が増えてきた。そこで昭和50(1984)年に厚生省のおいしい水研究会ができた。そこで答申された「おいしい水の条件」では、残留塩素は0.4mg/l以下とある。しかし、「以上」の基準を保つようにと記載している水道法があり、塩素の毒がある水を給水し、低濃度だから大丈夫と飲ませ続けている。
2004年4月から新しい水道法が施行された。塩素は健康に良くないということがわかったので、残留塩素について「望ましい」濃度として1mg/l以下とされた。しかし、あくまで「望ましい」であり、守る必要はない。急速ろ過処理では、細菌がもれ、有機物除去が不完全であり、残留塩素が無くなることに対して不安がある証拠である。
残留塩素について、現在の水道法第22条および水道法施行規則第17条第3号の規定で(衛生上必要な 措置)「給水栓における水が遊離残留塩素を0.1mg/l(結合残留塩素の場合は、0.4mg/l)以上保持するように塩素消毒すること」とある。
米軍が強いた野戦での「以上」の塩素基準をまだ守っている。
日本の水道水の約7割が、急速ろ過処理でつくられているので、最後に塩素添加が必須である。塩素を添加する必要がない良質で安全な飲み水が生物処理の緩速ろ過処理でつくられているが、この水にも急速ろ過処理での安全基準を適用してしまっている。
(P112~113)
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9月27日(金)05:42 | トラックバック(0) | コメント(0) | 緩速ろ過 | 管理
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