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緩速ろ過と水系伝染病(^^;)

緩速ろ過と水系伝染病(^^ 投稿者:日月 投稿日:2013年 9月28日(土)10時21分58秒

ゆっくりと自然に砂でろ過する緩速ろ過ではなく、ろ過スピードを上げて塩素消毒を併用する急速ろ過方式になったのには、欧米側の影響のほかに水を媒介とする伝染病(水系伝染病)対策の充実化などの意味があったようです。
元々は貿易に携わる船員らによってコレラ等の水系感染症が持ち込まれ、明治12年に10万人以上、明治15年に3万人以上、明治18年に11万人の死者が出ています。
このため、水道施設の普及が望まれ、明治20年に横浜水道が出来て以来、函館や長崎など貿易港や大都市域を中心に各地に広まりました。
当初は、緩速ろ過方式でも大きな成果が出ていたのですが、それだけでは防ぎきれなくなったので、大正10年頃から東京、大阪、横浜などの大都市を中心に塩素消毒が導入されたそうです(*^_^*)

田舎では塩素濃度を高くする必要がありませんが、大都市部では濃度が高くなる傾向があります。
これはプールやコンビニの弁当が塩素消毒されているのと全く同じ理由です。
塩素濃度が高すぎなければ気にすることはなく、こちらでは水道水で直接金魚を泳がすことが可能です。
塩素濃度のチェックは簡単で「かんたん塩素チェッカー」なるような商品も販売されています。

残留塩素が気になる場合は、数時間空気中にさらせばOKです。
この結果、残留塩素濃度は低下しますが雑菌(一般細菌)は増えます。
沸騰させてもOKですが、3分間以上沸騰させる必要があります。
塩素消毒が効かないとされているクリプトスポリジウムも沸騰させれば大丈夫です。
トリハロメタンは塩素消毒による副生成物ですが、通常の水道水であれば全く問題ないです。
なお、消毒用塩素については湯温上昇とともに濃度が上昇するという面白い傾向があります。
このため、お湯が沸いた直後にガスコンロを止めるのは、わざわざ塩素濃度を高めた状態で止めるのと全く同じことになります。
なので、3分間以上軽く沸騰させてから止めましょうね(^^。。

さらについでですが、
緩速ろ過方式のろ過スピードは1日当たり4~5m程度です。
これに対して、急速ろ過ですと1日当たり120~150m位になります。
つまり、緩速ろ過にこだわると、浄水場のろ過池の面積が現在の30倍は必要になります。
さらに都市部では様々な物質が溶け込んだ原水を加工し、何とか飲み水になるように手を加えています。
これは緩速ろ過では全く不可能な技です。
このため、田舎であれば緩速ろ過でもOKですが、都市部では全く現実的ではない話になっています。



9月29日(日)06:58 | トラックバック(0) | コメント(0) | 緩速ろ過 | 管理

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