本当に大切なことは目に見えない。 |
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| 私がリンゴの無農薬栽培に挑戦して何年間も失敗し続けたのは、今にして思えば、自分の目に見えるものだけにとらわれていたからだということがよくわかります。それが間違いのもとでした。
農薬散布をやめると、まずリンゴの葉が病気や害虫の餌食になります。葉を失うのは、動物なら食べ物を食べられないようなものだから、そのまま放っておけば間違いなくリンゴの木は枯れてしまいます。なんとか葉を病気や害虫から守ろうとして、気のとおくなるような苦労をしました。数え切れないほど工夫も施したつもりです。それでも効果はほとんど挙がりませんでした。
それは私が、自分の目に見えるもの、つまり地上にある葉や枝ばかり見ていたからです。目に見えない地下のことを考えていなかった。リンゴの木を支え、水や養分を吸い上げる根っこのことも、その根っこの周りに生きている菌類や微生物のことも、まったく考えていなかった。
山の樹木は農薬の助けなんか借りなくても、健康にたくましく生きています。病気や害虫に負けることもありません。それは根っこが健康そのものだからです。リンゴの木があれほど病気や害虫にやられたのは、根の健康が損なわれていたからです。もちろんリンゴの葉を守るのは大切だけれど、そのためにも目に見えない根っこのことを考えなければいけなかったのです。
これはリンゴ栽培だけでなく、他のあらゆる分野にも共通することだと思います。本当に大切なことは目に見えないのです。その目に見えないものを、見る努力をすること。見えないものに、自分の想像力を働かせること。科学が進歩したおかげで、逆に我々現代人はそのことを忘れているような気がします。人間は何でも知っていると思い込んでしまったから、いろんなことがうまくいかなくなったんじゃないでしょうか。人間はもっと謙虚にならなきゃいけないんじゃないかなと、自分への反省も含めて、つくづく思います。
あなたの人生に 「奇跡のリンゴ」をつくる本 木村秋則(P10)
本当にたいせつなことは 目に見えない。
これ大事なことばですね。
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8月29日(木)06:48 | トラックバック(0) | コメント(0) | 家庭菜園 | 管理
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