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固定種のタネは、気候風土に適応し、土地に馴化していく

図書館に返却するまえに 投稿者:たまきち 投稿日:2013年 8月27日(火)12時45分38秒


つぎの方が予約してるので 今日 返却してきました。(延長できない)

大事なところ メモしてみました。

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固定種のタネは土地に馴化する

固定種のタネは、気候風土に適応し、土地に馴化していくという事実は、自家採種している人の多くが認めています。いまだに「信じられない」と言う人も多いのですが、そうした人は実際に農業経験を持たず、自身で試す気もない人ばかりのようです。

遺伝学の最先端である分子生物学や遺伝子工学の研究者の方々からは、「わずか1年や2年の自家採種で植物の遺伝子が変化するはずがない。ばかばかしい」と言われます。でも、遺伝子は変化していなくても、遺伝子を活性化するオン・オフのスイッチが、与えられた環境に適応仕様として実は働いているのではないでしょうか。

F1の種を買い続けるばかりで、自家採種しなくなった現代農業は、生産効率優先ばかりで生命を育むという真の意味を知りません。また、遺伝子の仕組みを解明したつもりの現代科学も、生命とは何か?という真の命題から離れてしまっているように見えて仕方ありません。

最後に、2009年、種屋の先輩である野原育苗株式会社社長の野原宏氏(社団法人日本種苗協会専務理事)に、「戦後最初に出版された本格的な種子に関する本で、この本をしのぐ本はありません」という絶賛つきでいただいた、『種子生産学』(元台北帝国大学農学部教授・安田貞雄著、1949年、養賢堂)の一部を紹介してこの文を終わります。

「新しく種子を取り寄せて栽培した初年度の成績が不良であるにかかわらず、それから種子を採って播くと、その次の年ぐらいから良好の成績を与えることがある。明治30年頃、落合興左衛門氏(『種子交換論』1897年)はつぎのように記している。『かって余の地方に農家あり。清国より山東菜種子を購入して1畝歩ばかりに播種し、これを栽培したるに、その結果思わしからず、食用に供し得べきもの空なり。ようやく種子のみを採種して翌年ふたたびこれを栽培したるに、その結果前年とはおおいに差異ありて、多量の収穫を得、おおいに満足せり』かかる現象を作物の馴化という。(中略)この方面の研究として世界的に有名なものにSchuebeler氏の小麦の研究がある。同氏が1857年小麦の種子を中央ヨーロッパよりオスローに移したところ、初年度は103日で収穫し、その翌年は93日、3年目は75日で収穫することができた。まさに最初の年からみると28日早くなっている。この種子を再び中央ヨーロッパに持ち帰ったところ、80日で収穫することができた。すなわち小麦が北地の気候に馴化して変性したと考えられるのである(このように北に移して成熟の早まるのは夏の間の日照時間が長いためであろうと考えられる)。

この研究は非常に有名でかつ興味深いものであるにかかわらず、多くの遺伝学者はこれに疑いを抱いている。すなわち彼らは次のように考えているのである。『おそらくSchuebeler氏の材料は遺伝学的にみて純系でなかったろう。それでオスローの気候が夏季短く、しかも夏の日中が長いので早く出穂し、かつ遅い系統は出穂しなかったのであろう。この早く出穂した系統のみから採種し、これが年々繰り返されたから、出穂が早くなったのであって、一種の人為淘汰を行ったにすぎぬ』。この説は始めてWille氏によって唱えられたのであって、多くの遺伝学者は無条件でこのWille氏の説を支持した。しかしSchuebeler氏の原著論文によってみると、材料植物は全部出穂している。一部分が出穂し 他の一部は不出穂に残ってこそWille氏の説は成立する。このへんを追及せずしてただ常識論からWille氏の説を支持してきたこと、また現在支持しているということは、残念なしだいである(以下安田氏自身のタバコやイネでの馴化の事例が報告され、原因の推測が9つ掲載されています)

以上9種の説明法を記したが、まだこの他におもしろい考え方もあろう。将来も生まれてこよう。しかしいずれにしてもみな憶説にすぎぬ。ただ説明が上手にできようができまいが、作物の馴化という事実は厳として存在することを忘れてはならぬ」

この文を書くために確認したところ、安田貞雄氏のこの項「作物の馴化」の初出は、タキイ種苗が1944年4月に発行した『育苗と園芸』第2巻第4号の「作物馴化問題」という小文でした。

戦後、野菜の育種目標がF1に変更される以前は、固定種の特性として、馴化問題の研究が大手育苗会社でも注目されていたのでしょう。

固定種が過去のものとされ、こうした生命の働き、馴化への究明がとまってしまっているのはかえすがえすも残念でなりません。

『木村秋則と自然栽培の世界』 P70~72

固定種は自然栽培に向いている   野口勲

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植物さんは自分では歩けません、与えられた環境にあわせようと 最初の年は 一生懸命馴化に努めて 次の年からはもう、馴化の結果がでて その土地に合わせた結果が出るのですね。

自然の法則(植物さんの法則)とは なんと よくできているものだと思いました。



8月27日(火)12:49 | トラックバック(0) | コメント(0) | 家庭菜園 | 管理

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