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27 物質はなにゆえに存在しているのか?

さて、科学の世界では「なにゆえに存在するか」という質問を尽きることなく続けていくと、かならず行き詰まります。質問に答えられなくなるのです。

デカルトは存在について「我思うゆえに我あり」という名言を残して、哲学の世界での一つの答えとしましたが、科学の世界ではそうはいかない。

物理学者に、えんえんと質問をつづけて答えられなくなると「それは因果律に基づいているから答えられないのだ。因果律は敗北した」と迷言(名言?)を吐く宗教家もいますが、私はそうとは思いません。答えられないから、答えを求めて新しい理論と実証の探検に出かけていく===これが科学の世界に足を踏み込んだ人間の宿命だとでもいえるのでしょうか。

物質はなにゆえに存在するのでしょうか。それは分子があるからです。分子はなにゆえに存在するのでしょうか。それは原子が存在するからです。原子はなぜ存在するのでしょうか。そこから先は現代物理学の未知の領域です。しかし、強いていえば素粒子を存在させているものはエネルギーでしょう。

ではエネルギーは?ここで、お手上げなのです。ここで答えるとすれば次のようになるでしょう。

「ただ、そういうものが存在すると考えざるを得ない。それがもしなければ、地球も太陽も生命もあるいは宇宙も存在しえないからだ」

このような物の存在の究極的な理由は"謎"なのです。これは科学の限界に広く広くある謎でしょう。しかし、科学はつねに進歩しているのです。現代物理学で解明できない疑問もやがて解かれる日がくるかもしれません。しかし、疑問の解決はあたらしい疑問の創造でもあるのです。

現代物理学のたどりついたものの奥に、さらに高次の原物質といえるようなものがあるかもしれません。しかし、それが発見、実証されてもそれは物質の種類が変わるだけのことでしょう。

科学は「なにゆえに」と考えるよりも「いかに」と考える学問だと言われています。現代物理学は物質の世界の現象がいかに起こるかということを研究しています。

現代物理学はその意味で、物質現象がどのようにして起こるのかということを説明することには成功しています。物質現象に起こる疑問や矛盾を解決する法則、理論を組み立てることには成功しています。

別の角度から考えてみましょう。人間の生命はなぜ存在しているのでしょうか。それは原子が存在しているからです。私たちが生まれてきた理由も、物質がなにゆえに存在しているかというところと同じところに帰っていきます。

では、心はなんでしょうか。それは根本的には大脳という物質の存在理由に帰っていくでしょう。しかし、それは果たしてそうなのか。もしかしたら、私たちの知っている物質世界は実在の物質世界の全部ではなく一部かもしれない。

物質の現象から"心"がなぜ起こるかを説明できない理由は物質世界の知識が不足しているからわからないのかもしれない。ちがう物質世界と法則があれば、理解できる範囲も広くなるかもしれない。

                            四次元99の謎 関英男



3月30日(土)06:16 | トラックバック(0) | コメント(0) | 関英男博士 | 管理

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