48 富士山の頂上に住めば他人より早死にする |
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| これまでは主に空間のことを中心に考えてきましたが、では時間についてはどう考えたらいいのでしょうか。
アインシュタインは、重力場では重力が強いほど、つまり万有引力が強いほど時間の遅れがいちじるしくなると指摘しています。これは、まえに出てきたメスバウワー効果で測定すればすぐわかることです。
たとえば標高三千三百三十七メートルの富士山山頂に住んだ人がいるとします。地上より離れれば離れるほど地球引力が弱くなることは実証されています。ですから、富士山頂の引力は東京都内の引力よりも弱いわけです。
つまり、これを時間に関連させて考えれば、富士山山頂のほうが地上よりも時間が早く進むわけです。時間が早く進むということは、同じ日の同じ時間に生まれ、五十年後の同じ日の同じ時間に寿命を終えると運命づけられた田中君と福田君がいたとします。
田中君がある日仕事で富士山山頂に住むことになれば、田中君のほうが早く死んでしまうという悲しい結果になるのです。
とはいってもこれは一秒の一千万分の一秒のそのまた一千万分の一秒程度の違いで、実際の生活にはほとんど影響しないほどです。ただ、引力の強弱によって時間が遅れたり進んだりすることは、高さ二十メートルの塔の上と下で実験した結果があるので確かめられた事実です。
もし寸刻といえども長生きしたいと思う人があるなら、いちばんいいのは準光速ロケットに乗って宇宙旅行すれはいいのですが、それは無理な相談ですから、まあなるべく低いところ、それも一階や地下で生活すればいい、ということになります。
重力が強くなれば時間が遅れるという結論から、加速度をもって宇宙空間を飛んでいる準光速ロケット内の時間の経過が遅れ、その結果41で述べたようにロケット内での二年間の時間は地球上の数千年、数万年に相当するということは十分考えられます。
つまり宇宙空間でUターンするロケットは加速度をもって飛び、ロケット内に重力場ができ、時間はどんどん遅れていくのです。
四次元99の謎 関英男
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4月20日(土)05:16 | トラックバック(0) | コメント(0) | 関英男博士 | 管理
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