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26 原子の構造は常識を超える謎を秘めている

話をふたたび最初にもどしましょう。私たちは素粒子が粒子の像と波の像をもっていることをすでに知っています。では、もし超高性能の顕微鏡が発明されて、原子を見ることができるとすれば、それはどんな姿をしているのでしょうか。

ところが、物理学者は原子の構造を顕微鏡で見て知るという方法はすでに放棄しています。
原子の構造が、私たちが"構造"という言葉でイメージするようなものではないということを知っているからです。

では、原子の構造を知ることは私たちにはできないのでしょうか。そうではないのです。現代物理学は、量子力学と呼ばれる理論でその構造を完全に知っているのです。

教科書とか新聞によく原子の絵がのっています。中央に原子核があり、その周囲を電子がまわっている。じっさいに原子をみると、あの絵のようにみえるはずだと思っている人が多いのです。そして、極小の世界も太陽系と同じ、宇宙的構造をしているとイメージしてしまうのではないでしょうか。これはとんでもないまちがいなのです。

まず第一に、原子核の大きさは原子の直径の十万分の一くらいですから、原子全体の絵の大きさが、教科書などのように十センチくらいの直径だとすると原子核はその十万分の一の大きさにしないと正確ではない。それは、点よりももっと小さい。

第二に、原子核の周囲にある電子は、模型図の絵のような軌道を描いていないし、またどんな軌道も描いていない。電子(核外電子=素粒子)が粒子の像と波の像の二つの性質をもっていることを考えてください。

では、どんな姿をしているのでしょうか。

ここでは、核外電子が一つしかない水素原子を例にとってイメージしてみましょう。水素原子の拡大写真を、いかなる障害もなく完璧に扱ったとします。もし電子が粒子なら、連続的に何千枚もの写真をとりそれを透視すると軌道がみられるはずです。

ところが予想に反して、電子はまったく法則もなく射撃の標的の弾痕のような分布を示すのです。中心の黒点が原子核で、その周囲に無数の黒点がうつる。その無数の黒点が核外電子の像なのです。これらの電子は、また、光のエネルギーを外部からうけると原子核から離れ、エネルギーを放射するとそれに近づきます。

もちろん、これはほかの原子でも同じはずです。では私たちはなぜ太陽系のような原子をイメージしたのでしょうか。それは、感覚世界の常識をむりに超感覚世界に当てはめたからです。

ニュートン力学によれば物体の運動はつねに一定の法則に基づいて行われる。これは一定の軌道を描くということで、私たちの常識になっています。ところが、核外電子は運動しているのに一定の軌道がないのです。言ってみれば、幽霊のように、あっちこっちに同時に存在するという運動をしているのです。

私たちの常識はここでも破壊されました。しかし、ニュートンも言っています。
「私たちは真理の大海のまえには、浜の一粒の砂ほどの存在にすぎないのだ」と。

                              四次元99の謎 関英男



3月29日(金)05:16 | トラックバック(0) | コメント(0) | 関英男博士 | 管理

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