21 物質の世界の巨大な謎を求めて |
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| 想像を絶する巨大な時間と空間の大宇宙の探検をひとまず終え、こんどはもうひとつの超感覚の世界、極微の素粒子の世界に足を踏み込んでみることにしましょう。
宇宙について思いをめぐらしてみると、次から次へと新しい疑問が出てくることを私たちはすでに第二章で経験しました。それでは、私たちが手で触れることのできる身のまわりの世界、感覚できる世界はどうでしょうか。手を伸ばせば触れることができるのですから、宇宙を考えたときのように巨大な時間を考えなくてもよさそうですし、空間もそれほど大きなスケールではないのですから、"眼にみえない"という性質をのぞけばそれほど手ごわい相手ではないように思える。
科学についてすこしばかり知識のある人なら、だれでも物質が元素か化合物であるということは知っています。元素とは一種類の原子でできており、化合物は多種類の原子でできていることも常識のうちでしょう。
なーんだ、と早合点するのはいけません。私たちが信じて疑わなかった、常識の通用しない世界を探検するのが、この本の大一の目的だということを忘れないでいただきたい。
私たちがよく知っている物質の世界の内部にも宇宙よりはるかに大きな秘密と謎がある、それをこれから考えていくのです。
まず、物質とはなにか、どのような構造になっているのだろうか。物質は、幾種類かの原子結合をして分子をつくり、その分子の集合体である。したがって、物質の性質を持った物質の最小の構成単位は分子で、これを理論的に明らかにしたのがイタリアのアボガドロでした。
もちろん物質の中には分子をつくらず一種類の原子だけで成り立っているものもあります。 それは鉄、アルミニウムなどの固体の元素です。
では物質の最小単位は原子なのでしょうか。じつはそうではなかったのです。イギリスのJ・J・トムソンは電気力が分子や原子を二つの部分に分割することを発見しました。その二つのものの一つが陰電気を持った電子、もう一つは陽電気をもち、イオンと名づけられたのです。
四次元99の謎 関英男
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3月24日(日)07:47 | トラックバック(0) | コメント(0) | 関英男博士 | 管理
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